ship’s log

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ship’s log

Scraps on wooden panel.

180mm x 140mm

February 20,2025

違和感を感じなくなるまで突き詰めた時に完成がわかる

私はこの作品を、レゴブロックを組み立てるように直感的に作った。左右の作品はシンプルに、真ん中の作品は複雑に構成し、全体にメリハリをつけている。

真ん中の作品は、完成までに相当迷ったが、私は「違和感がなくなるまで突き詰める」ことを大切にしている。そうすると、ある瞬間、心が軽くなり「完成した」と確信できるのだ。この作品は、そんな瞬間を迎えた大切な一枚。

In this work, I play with the contrast between simplicity and complexity. The left and right pieces are simple and quiet, representing the ordinary, while the center piece is bold and intricate, embodying energy and movement. I struggled with the central composition, but I always know a piece is complete when I feel a sense of lightness in my heart—when all the elements fall into place like building blocks.


How the work is made?

今回は3枚あるので長いです。

まず1枚目。

これは以前、プラスチックの板になんとなく描いて作ったものが元。

2枚目。これも同じく遊びで作ったものが元になっている。

この2枚はどうしても作りたかった。

しかし、この2枚だけでは物足りないので、私の好きな3枚セットにする。

3枚目。昔の作品を利用する。

この3枚目はかなり悩む(3日間)。いつもはスルスル進むが、今回はなぜか進まない。そういう時は何かが間違っている。

思い切って色を変える。

さらに一度シンプルに戻す。こうなると道が見えてくる。

中心となる部分に強いコントラストが欲しかったので、オレンジと黒い丸を入れる。

完成。

日本語に「ハレとケ」という言葉がある。「ハレ」は祝い事や祭りなど非日常を指し、「ケ」は普段の生活、日常のことをいう。

左の作品、青に赤と白の丸は「ハレ」、右の二つの灰色の丸の作品は「ケ」。

そしてその「ハレ」と「ケ」を行ったり来たりしているのが真ん中の船(そう、これはなんと船なのだ)。

それは決して、どちらかのみに偏ることはない船である。